【くらしのレポート】コーポ江戸屋敷団地サミット2019九州×関西
コーポ江戸屋敷では、2016年よりコミュニティデザインカレッジと題した連続勉強会を実施してきました。住人によるDIYや敷地緑化計画をもとにコミュニティ形成のシナリオを組み立て、実行計画を練っていく勉強会。
この勉強会に参加した人達の縁が、3年経った今も着実に育っています。
このたび、大阪のUR団地(UR香里団地D51棟、UR青山台団地)の入居者さんたちが、コーポ江戸屋敷の活動見学に来てくださいました。
大阪と九州の団地交流が行われた江戸屋敷の1日をレポートします。
実は2017年5月、UR香里団地見学ツアーが実現し、コミュニティデザインカレッジの福岡メンバーが出張編として大阪に伺っています。(そのときのレポートはこちら「はじまりは小さな団地から~大阪視察ツアーレポート~」)
写真:UR香里団地D51棟の様子。「はじまりは小さな団地から~大阪視察ツアーレポート~」より
今回は、コーポ江戸屋敷の入居者さん4組も参加いただきました。団地を県を越えて見学し合う。素敵な交流ができてとても嬉しく思います。
はじめにコーポ江戸屋敷の敷地をご案内し、西側小道やエントランスの掲示板など、
ランドスケープデザインの構想を少しずつかたちにしているところをご見学いただきました。
リノベーションしたお部屋のご見学では、コーポ江戸屋敷建築当時の素材を生かしたコンクリートむき出しの仕上げや、入居者さんと一緒にDIYする仕組みについて、興味深く聞かれていました。
「うちの団地にもマグネット式の掲示板があったら使いやすそうやね。」
「この床の仕上げは面白いね。」など、UR団地の入居者さんは、ご自身の団地に生かせるアイディアをたくさん見つけられていました。
「自分たちの暮らしを良くすること」に積極的で、楽しんでいる様子がとても印象的でした。
そして、久留米職人シェアオフィス(BASE)にて、この日集まった6団体がそれぞれの活動を紹介。
内容が盛りだくさんなのでここには書ききれないのですが、みんなそれぞれの土地で、オリジナリティに溢れる活動をしていました。
自分のまちの良いところと課題に気付き、向き合うこと
そしてまちで楽しく暮らすために仲間と行動を起こすこと
お互いの活動を知り、刺激を受けた時間となりました。
パーゴラでお昼ご飯を食べながら、UR団地の入居者さんにお話しを伺いました。 「団地での持続可能な豊かな暮らし。それは入居者さん自身が、自分たちの暮らしを良くすることを考えて、自身で手を動かして場を作り、より良くした環境での生活を続けていくこと。 これからも一歩ずつ、コーポ江戸屋敷の取り組みは続いていきます。
BASEでの報告会の様子
「他の団地を見学することで、自分たちの暮らしの参考になります。
良いと思ったことは、自分たちの棟(D51棟)だけではなく、他の棟にも広げていきたいと思う。
暮らしを良くする活動自体も楽しいが、その活動を通して共通の価値観を持つ人と交流できるのも楽しいです。自分たちの豊かな暮らしは自分たちでつくればいいとあらためて思いました。」
ここに団地再生のために大切なヒントが詰まっていると思います。
そのためには、自分たちがどのような豊かな暮らしがしたいのか、入居者さんと管理会社が想いを同じくし、共創関係となり、一緒に物件、暮らしのことを考えるパートナーになることが大切です。」(UR片岡さん)
このプロセスは、年単位で長い時間をかけて丁寧に目の前のひと・ことに向き合うことで進んでいき、それぞれの物件と入居者さんに合ったスピードで熟成され、団地再生の成果として見えるものになると感じます。
福岡と大阪。全く違う場所にいながら、「暮らしを豊かにすることを楽しむ」という共通の価値観を持ち活動する、仲間のような感覚になりました。福岡から大阪に活動を報告できるよう、これからも住人さんと一緒に歩んでいきたいと思います。